栄養サポートチーム

栄養サポートチーム(NST)について

1970年、米国のシカゴで医師、薬剤師、栄養士、看護師などの多職種が集まり、患者さんのために栄養療法について討議したのがNSTのはじまりです。日本では、1998年、鈴鹿中央病院NSTの活動を契機に、急速に全国へ拡がりました。黒石病院NSTは2005年から活動を開始し、現在は、栄養と褥瘡に関わる「NST・褥瘡対策委員会」として活動しています。

黒石病院NSTについて

NST回診およびミーティングは毎週火曜日に行っています。対象となる患者さんは高齢者が多く、認知機能低下、ADL低下を伴う症例、また、癌の終末期など、介入して早期に栄養障害が改善するケースは少なく、それぞれの患者さんの到達目標を設定しながら一例一例対応している状況です。また、嚥下障害症例については、耳鼻咽喉科、言語聴覚士スタッフに嚥下内視鏡や嚥下造影などで評価していただきながら、連携して診療しています。

地域との連携

2013年に南黒地域で「栄養と薬剤と地域連携を考える会」を立ち上げ、情報交換の場として、年2~3回のペースで勉強会を開催してきましたが、2020年はコロナ下で中断となりましました。2021年は、はちのへファミリークリニック院長の小倉和也先生による「八戸地域における栄養と医療連携」の講演をオンライン形式で行いました。2022年は、田無病院院長、丸山道生先生をお招きし、「腸内フローラからみた経腸栄養管理~高齢者の下痢、便秘を考える~」をハイブリッド形式で行いました。また、院内のNST勉強会をWEB配信するなど、地域の病院間で相談しながら連携を継続しているところです。

NST専門療法士認定教育施設として認定

2019年、日本臨床栄養代謝学会「栄養サポートチーム専門療法士」認定教育施設として認定され、2020年から外部研修生を受け入れています。研修期間は、1日6時間、計7回、6月から9月までのプログラムです。

今年度の目標について

教育施設として外部から研修生を受け入れる一方で、院内の管理栄養士、薬剤師、看護師、臨床検査技師などメディカルスタッフの研修修了者も増えています。これからの目標は、医師の増が必須であり、医師に「チーム医療」のメリットを伝えていければと思います。                                   また、地域連携として退院時の「栄養連絡ノート」を発行していますが、フォローが十分とは言えず、在宅、介護施設などとの連携を強めていく必要があります。                                                 当院のNSTの活動について、ご意見、ご指導いただければ幸いです。

 

                               2023年6月

                               NST代表 横山昌樹